※※ アイスミシュラン ※※


 現代消費社会を象徴するかのごとく、玉石混淆・有象無象の商品が冷蔵庫を賑わすコンビニアイス戦線。ここでは、そうしたアイスの中から会員による厳しい審査をくぐり抜け、『殿堂入り』となった強者どもを紹介・評価していく。
 アイスの評価は★5つが満点、☆は★0.5個ぶんとする。なお、これらはあくまで会員の主観的な評価であり、著しく客観性を欠く場合もあり得るが、気にしないのが長生きのコツである。

   評価委員紹介(偉い順)

中原公彦……関東支部長。最近フリーザーの調子が悪く買い置きできないのが悩みのタネ。フルーツ系が好み。

酒井シズエ……最高齢会員兼事務。歳のせいか最近は抹茶・小豆系がお気に入り。

商品名

博多とよのか

メーカー

丸永製菓(株)

値段

100円(税別)

種別

ラクトアイス(無脂乳固形分8.0%、乳脂肪分2.5%、植物性脂肪分5.0%)

報告者

酒井シズエ

入手場所

セブンイレブン(福岡近郊限定?)

推薦理由


アイスとしてはお世辞にも高級とは言えない「ラクトアイス」でありながら、ベースのバニラアイスに福岡特産いちご『博多とよのか』の果肉を巧みにブレンドしたそのとろけるような甘さは、グリコの『いちごフロート』を軽く一蹴するポテンシャルを持つ。まさに真冬のアイス同好会ミシュランのトップを飾るに相応しい。一刻も早い全国区への進出が望まれるところである。

評価

★★★★


商品名

メルクSTICK

メーカー

明治乳業(株)

値段

60円(税別)

種別

アイスミルク(無脂乳固形分7.5%、乳脂肪分3.5%)

報告者

中原公彦

入手場所

セブンイレブン座間相武台3丁目店

推薦理由


 60円という低価格にもかかわらずアイスミルクである点が素晴らしい。「ホームランバー」もこの点においては同じであるが銀紙で包まれていて食べにくい上に量が少ないという欠点を抱えている。しかしこの商品は普通のビニール包みであり量的にもその他の60円アイスと同等である。
 後味がやや甘ったるく、喉が乾く感じがするのが欠点ではあるが、濃厚なミルクの味はさすがで、大いなる満足感が伴う。パッケージも素朴であり中身の実力で勝負という姿勢が小気味よい。
 60円アイスは安っぽいという概念を打ち砕く画期的アイスである。

評価

★★★


商品名

八女抹茶カップ

メーカー

丸永製菓(株)

値段

100円(税別)

種別

ラクトアイス(無脂乳固形分8.0%、植物性脂肪分8.0%)

報告者

酒井シズエ

入手場所

セブンイレブン(これも福岡近郊限定か?)

推薦理由


 久留米を拠点に次々と地域密着型のアイスを開発している丸永製菓の製品第二弾。今回の特産品は茶処八女の抹茶である。
 基本のバニラアイスにヤクモノをブレンドするというコンセプト自体は変わらないが、さらにアクセントとして北海道小豆納豆を加えることにより、独自の食味を生み出している。
 カップに記された『ほのかな渋みがさえている。』というコピーや世界菓子品評会金賞受賞の実績も納得の逸品である。

評価

★★★☆


商品名

ラムレーズン

メーカー

赤城乳業(株)

値段

100円(税別)

種別

ラクトアイス(無脂乳固形分4.0%、乳脂肪分2.5%、植物性脂肪分1.0%)

報告者

中原 公彦

入手場所

セブンイレブン

推薦理由


やわらかな口当たりのアイスの中にちりばめられたレーズンが美味である。アイスもレーズンの風味を損なうことなく、とはいえ全く主張をしないわけでもなく、非常にバランスが良い。溶けにくくするためと思われる表面を覆うミルクアイスと本体との食感の違いがやや気になるところであり、本体のみの姉妹品をカップで発売し、これを補ってもらいたい。

評価

★★★★

商品名

ガツン、とみかん

メーカー

赤城乳業(株)

値段

100円(税別)

種別

氷菓(果汁・果肉20%)

報告者

中原 公彦

入手場所

セブンイレブン

推薦理由


「温州みかん,ぎっしり」というコピーに恥じない、大量のみかんが大いなる満足感をもたらす。しかもただ甘いだけの缶詰のみかんの味ではなく、微妙な渋みもほのかに感じられる本物のみかんの味が満喫できる。ベタベタした甘さが残らないため、食後のデザートとしてもOK。夏に欠かせない氷菓の正統実力派。とはいえ価格設定にやや割高感あり。

評価

★★★☆


商品名

タイプチーズ

メーカー

赤城乳業(株)

値段

100円(税別)

種別

アイスミルク(無脂乳固形分6.0%、乳脂肪分7.0%)

報告者

酒井シズエ

入手場所

セブンイレブン

推薦理由


チーズという素材を最大限に活かしきり、アイスであるにもかかわらず溶けたチーズを食べているような食感を実現したその技術力と職人魂に、まずは惜しみない賛辞を送りたい。
素材の高級感と高い満足度のおかげで、価格設定にも割安感がある。
棒アイスというその形状と本体のやわらかさのミスマッチでやや食べにくいのは減点対象だが、初めて口にしたときの衝撃は『博多とよのか』に勝るとも劣らないものがあった。久々に酒井のアイス魂を揺さぶった名作である。

評価

★★★★

商品名

板チョコモナカCHOCOLATE<パリッコ>

メーカー

森永乳業(株)

値段

100円(税別)

種別

アイスミルク(無脂乳固形分8.0%、乳脂肪分3.0%、植物性脂肪分5.0%)

報告者

中原 公彦

入手場所

セブンイレブン他

推薦理由


サクサクとしたモナカとパリパリとしたチョコの歯ごたえにふんわりとからむアイスの食感が絶妙。しかしチョコの甘さはあくまでひかえめで、多めの脂肪分を含むアイスの甘さをサポートするにとどまっている。そのため食後に喉が乾く感じも少なく、夏でもすっきりと食べることができる。とはいえ夏はアイスの溶けが早くモナカのサクサク感が失われるため、やはり冬に食するのが望ましい。

評価

★★★☆


商品名

板チョコアイス 苺のミルフィーユ

メーカー

森永製菓(株)

値段

100円(税別)

種別

アイスミルク(無脂乳固形分7.0%、乳脂肪分3.0%、植物性脂肪分2.0%)

報告者

中原 公彦

入手場所

スリーエフ

推薦理由


「板チョコアイス」という名が示す通り、圧倒的なボリュームのチョコが魅力。大量のチョコをアイスと組み合わせるとチョコが固くなり食べにくくなるのが一般的だが、ホワイトチョコに含まれたパイ生地によってこの欠点を補っている。このパイ生地入りチョコはクランキータイプのチョコとは一線を画す素晴らしい食感。いちごアイスも美味であり、コンビニアイスがデザートとして十分通用することを示した記念碑的一品であるといえる。

評価

★★★★

アイス同好会事務局

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