宇宙地球電磁気学研究室
Space and Earth Electromagnetism Laboratory

2010年 研究室紹介動画

こちらからどうぞ(MP4形式)

研究室の紹介


















具体的な研究紹介








これまでの研究

太陽から定常的に吹き出している高速(約 500km/秒)の超低密度(約7個/cc)のプラズマ流(太陽風)は、地球半径の10倍程の距離に近づいた所で、地球磁場という強力なバリアにぶつかって振り分けられ、下流側では地球半径の数千倍まで地球磁場を引きずり出し、「すい星」形の地球磁気圏を形成している。プラズマは、イオンと電子からなる荷電粒子の集まりであるため、地球周辺の磁場によって、その軌道が 決められる。

また、そのプラズマは電流を形成することによって、逆に地球周囲磁場や、自分自身の運動に影響を与える。


(写真 国立天文台 ひので)


(写真 NASA GSFC)

その間、太陽風の中の一部のプラズマは地球磁気圏の中に入り込み、あるものは高緯度地方の磁力線沿いに降り注ぎ、オーロラを光らせ、また、あるものはプラズマ波動を励起し、その波動は磁力線を横切り赤道域まで到達してきている。


これらの宇宙空間におけるプラズマ現象は、さまざまな方法によって観測されている。例えば、地球の周囲をまわる人工衛星は、磁気圏内の磁場や電場の変化、粒子の種類や速度を測定し、また、宇宙からオーロラも撮影している。世界各地に設置された地上の観測ネットワーク(磁力計、レーダー等)を用い、地球磁場の乱れや電離層 内の荷電粒子・中性粒子の運動、それに、電場、電流の変動が観測されており、上記 の衛星観測と組み合わせることによって、グローバルな地球電磁環境の総合的な理解 がなされつつある。

このような観測データを解析することにより、地球磁気圏や電離層を含む宇宙空間で発生している様々なプラズマ現象が調べられ、さらにそれらの観測結果は、プラズ マ物理学と磁気圏物理学のシミュレーションと理論によって説明されつつある。


(写真 NASA GSFC)

下に挙げた項目は、当研究室の研究活動の例である。特研生は研究室配属後、宙空環境研究センターを活用した卒業研究を行っている。



  1. 計測機器の開発と観測
    210°磁気子午線沿いと赤道域での地磁気観測網を中心としたグローバルな環太平洋地磁気観測ネットワークで用いる機器の開発と観測。人工衛星や電話回線を使ったテレメトリーシステムの技術や久住にある「電磁圏講座地磁気観測室」における電磁気的観測技術の習得を通じて、大学院における海外観測研究に必要な基礎技術をマスターする。観測の様子はこちら

  2. コンピュータを使ったデータ解析
    環太平洋地磁気ネットワーク(CPMN)で得られたデータや人工衛星で得られたデータを総合的に比較、解析することによって、宇宙空間における様々なプラズマ現象を研究する。また、地震に伴う電磁放射現象などの解析研究もする。

  3. コンピュータシミュレーション
    宇宙空間におけるプラズマ現象のモデリングと計算機シミュレーションを行なう。シミュレーションと地上・衛星観測との比較を通じて、プラズマ現象の本質を理解する。

  4. プラズマ物理学、磁気圏物理学理論
    地球磁気圏内の世界を記述、理解するための基本的な知識を習得する。ゼミや発表会を通じて勉強していく。


最後に、九州大学内の関連講座を紹介します。

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