だんだん重くなってきましたな……。
米寿は見た! 長崎カステラアイス
それは、とよのかファミリー調査中のある日の事。昼休み、職場でのほほんと上司(35歳、独身、男、ペルソナウェア愛用者)と談笑していた酒井の耳に、信じられない発言が飛び込んできた。「そういえば、この前近くのダ○エーに『長崎カステラアイス』ちゅうのが売っとった」
既に近隣のコンビニというコンビニはチェック済だった調査班(酒井ひとり)ではあったが、まさかスーパーに潜んでいようとは。コンビニ原理主義を掲げる会の発想では見つからないはずである。ともあれ、早速調査班は○イエーへと飛んだ。やはり、長崎カステラ味は実在していたのか?! そしてやっぱり丸永製菓なのか?!
見事なまでに『正しい日本のスーパー』的なたたずまいを見せるダイ○ー店内。その最奥部、アイス売り場に奴はさも当然のような顔で陳列されていた。突然黒服の男に囲まれたり、ふと気付くと数時間記憶がなくなっていてカステラアイスのことは綺麗さっぱり忘れている、といったハードな展開も辞さぬ覚悟で赴いた酒井にはやや拍子抜けであるが、ここは素直に発見を喜ぶことにする。正式名称『九州浪漫 長崎カステラアイス』種別アイスミルク無脂乳固形分8.0%植物性脂肪分4.0%乳脂肪分4.5%価格税別100円メーカー丸永製菓。ああ、やはり製造元は丸永製菓であった。奇妙な安堵感を抱いている己に戸惑いつつも、レジを通り自宅へ戻る。
![]()
自宅までの道すがら、酒井の頭を支配していたのは『しっ、辛抱たまらんわい! はよう中身見せて〜な』という場末のストリップ劇場にたむろするオヤジのようなブレーキのきかない欲望であった。なにしろモノがモノだ。誰が考えても到底合いそうにないカステラとアイスという取り合わせを、果たしてあの丸永製菓はどのように料理したのか?
正解は、
![]()
コレだっ!カステラをひときれ載せただけ!!
なるほど、これは確かに『長崎カステラアイス』である。というか、誰もこれを『長崎カステラアイスではない』とは言えまい。他メーカーの追随を許さないダイナミックかつプリミティブな製品コンセプトである。僅かに残る疑念は『本当に長崎で生産されたカステラを使っているのか?』という点だが、これも九州を愛する(想像)丸永製菓なら間違いないだろう。それにしても、酒井の長いアイス人生のなかでも五指に入るほど強烈なビジュアルインパクトを持った製品である。
さて、同好会としては味の評価にも触れておかねばなるまい。先程カステラを載せただけだのプリミティブだのさんざん言ってしまったが、それはあくまで外見だけの話である。食べてみるとわかるが、カステラ部分はカチカチに凍っているわけではなく実に柔らかい。この点だけを取ってみても、最先端の技術が惜しげもなく投入され、ちょっとイイ感じの開発秘話が久留米に眠っているのはまず確実であろう。またベースとなるたまごアイスも、その今時珍しい愚直なまでのプレーンな味わいが密やかに郷愁の念を誘う。あー、そういえば文明堂のカステラ食いたくなってきたなあ〜(長崎出身)。
……話を元に戻す。カステラ部分とたまごアイス部分が馴染みすぎているがゆえにややカステラの個性が表現しきれていないという欠点はあるものの、ミシュランで言えば自信を持って★★★☆はつけられるこの長崎カステラアイス。ここで声を大にして訴えたいのは、
何故この佳作アイスがコンビニで販売されていないのか?
という問題である。もしその答えが『地方メーカーだから』『いかにもイロモノだから』『CMが十分でないから』といったものであるなら、みすみす大きなビジネスチャンスを見逃していると言っておく。このページをご覧の各コンビニチェーンの仕入れ担当の方! 騙されたと思ってしばらく丸永製菓の『長崎カステラアイス』を仕入れてみて下さい! 最初は売れないかもしれませんが、そのうち口コミでバカ売れするようになりますって!
……本当に騙されても責任は取りませんが。
とよのか地獄変
2000年も初っぱなから、北村名誉会長猊下より「同好会推奨アイス『博多とよのか』には長崎カステラ味等のバリエーションがある」という驚愕の情報がもたらされた!ていうか博多とよのかっていちごアイスだろ? カステラにいちごがまじって、さらにアイスかよ? 食えるんか? ガセだろ? といった数々の疑問を抱いたまま、なしくずしに調査は始まった。しかし、調査員酒井を待っていたのは、『博多とよのかには確かにバリエーションが4種類存在する』という意外な結末だったのである……。
以下は、製造元である(同好会的には)久留米随一の超優良企業、丸永製菓への突撃電話インタビュー(単にお客様相談にかけただけともいう)によって判明したとよのかファミリーの全貌である。
・『博多とよのかノベルティカップ』250円
通常の博多とよのかのアッパーバージョンらしい。一生食えない値段なのがツラい。「そんなに会則が大事なの?」 うむ。鉄の掟だ。
・『博多とよのかスティックタイプ』100円
なんととよのかにスティックタイプが! でもいっぺんも見たことねえぞ! ちゅっかどれも見たことないけど。
・『博多とよのかみぞれいちご』100円
これはどんなアイスかよくわからなかったが、いちごフロートチックなギミックが配されているらしい。
・『博多とよのかいちごソルベー』150円
とよのか入りミルクセーキを凍らせたような感じらしい。話だけだが、個人的に4種のなかではいちばん食指を動かされた。値段もギリギリOKだし。……といったように長崎カステラ味はやっぱりガセだったが、結果的には大収穫の調査となった。しかし偽情報を流し、いたずらに会を混乱させたこの行為は名誉会長といえど許されるものではない。自覚ある進退の決断を求めたい。
なお、今後も福岡事務局は総力をあげてこれらとよのかファミリー(除ノベルティカップ)の調査を継続する予定である。……ところで、こいつらどこで売ってるんでしょうか?
名刺交換
先日、関東支部長の中原氏からアイス同好会の名刺が送られてきた。
![]()
↑現物遠く神奈川の地でこの名刺を片手に営業活動を行い、真冬のアイス普及に尽力する氏の姿が目の前に浮かんでくるようである。
これは、福岡本部としてもうかうかしてはいられない。まずは事務を務めるこの私が先鋒となって、とりあえず自腹で名刺を作らねば……。
![]()
↑完成予想図